2020年3月3日、FRBは0.50%の緊急利下げに踏み切りました。そのことについて、これは今後不景気に入る予兆だ、というようなことをよく見かけます。流し読みした印象では、過去には緊急利上げが行われた際のその後の株価が軟調に推移していたため、そうしたコメントが多いみたいです。
しかし、個人的にはそもそもFRBって何?利下げってなんだということをきちんと理解しておきたいと思い、調べてみました。
正直、金利が下げると、預金から投資へお金が動く?ぐらいの理解です。
今回は「FRB」「利上げ」という言葉ですが、「FOMC」という単語も聞くような気がします。これらは米国の金融政策に関係する言葉のようです。
このような単語をよく聞く理由は、FRBの動向が世界中のマーケットに大きな影響を与えるためです。FOMCの政策やFRB議長の会見から、株価や為替が大きく動くようです。
投資をしているとこうしたFRB議長の発言や政策の影響を直に受けますので、より身近に感じることができますね。もし投資をしていなかったら、おそらく全く気にせずに過ごしていると思います。
FRB(Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会)とは
FRB(The Federal Reserve Boardの略)は、日本における日銀と同じ、アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本語で「連邦準備理事会」とも呼ばれます。連邦準備理事会は、7名の理事から構成されています。
SMBC日興証券
FRBが開く金融政策の最高意思決定機関に連邦公開市場委員会(FOMC)があり、FRBの理事7名や地区ごとの連邦準備銀行(FRB)総裁5名で構成されていて、アメリカの金融政策やFFレートの金利誘導目標を決定しています。
FRB議長の指名は大統領が行い、2020年3月時点の議長はジェローム・パウエル氏です。
FRBは年に8回、FOMC(Federal Open Market Committee)を開催します。連邦公開市場委員会と呼ばれるこの会合にはFRBの理事7名と連邦準備銀行の総裁5名が参加します。
FOMCでは政策金利の利上げや利下げの判断をしています。その発表は世界のマーケットに与える影響が大きいのですが、市場関係者の予想との乖離があるかないかで、大きく違ってきます。例えば市場が0.25%の利下げを予想しているときに0.5%の利下げが行われると、予想以上の結果ということで株価に影響が出たりするのです。
SMBC日興証券
株価や為替へ影響を与えるので、よく取り上げられているのですね。
また、よく「ハト派」「タカ派」という言葉も耳にします。ハト派は利上げに慎重な派閥、タカ派は利上げに積極的な派閥です。
FRBの利上げや利下げの影響について
FRBの動向がニュースで頻繁に取り上げられるのは、世界中にその影響を及ぼすためのようです。マーケットや為替だけではなく、原油や商品市場なのどの価格変動にも影響を及ぼすようですね。
一般にFRBが利上げを行うと次のような影響が考えられます。
利上げ | 利下げ | |
ドル相場 | ドル高 | ドル安 |
米国企業株価 | 下落 | 上昇 |
円相場 | 円安 | 円高 |
日経平均株価 | 下落 | 上昇 |
FRBが利下げをすると、米国の金利が低くなります。お金は金利の低いところから高いところへ流れるのが基本ですので、利下げはドルの人気を低くしてドル安となり、他の通貨の価値を高くさせます。
2020年3月の利下げ時には、3月2日に1ドル108円だったドル円価格が、3月6日時点には105円となるように円高・ドル安へと推移しています。
しかし、必ずしも表のようになるとは限りません。
現に3月3日の利下げ後の為替はドル安・円高に進んでいますが、米国株価、日経平均株価は下落しています。本来であれば、利下げが行われることでお金が株式市場にながれるはずですが、逆に株式市場からお金が流れ出ています。
2020年3月の利下げは緊急利下げだった
その理由としては、特に今回は臨時会合での緊急利下げだったからと言われています。
この緊急利下げが 2020年3月以前に行われたのは、リーマン・ショック時までさかのぼります。そこまでの緊急利下げというカードが切られたということは、今後、経済は悪くなるのではないか?不景気に入るのではないか?という憶測から株が売られているとも書かれていました。
本来であれば、不景気や経済が悪くなった際に利下げを行い、市場にお金を流す(株高にする)ことを意図していますが、皮肉なものですね。
金利変動の身近な要素として
金利変動の身近な要素としては以下のようなものも挙げられます。ちなみに日本の政策金利は-0.1%です。利下げが行われた場合の一般的な効果は以下のようなものです。
- 銀行預金の金利が下がる
- お金を借りる金利が下がる
- 通貨が下落する(日本の金利が下がる場合は円安となる)
- 株価が上昇する
例えば、住宅を購入する時の住宅ローン金利が下がるため、銀行へ返済する金利が下がったり、銀行にお金を預けているとしても、金利による恩恵は受けられなくなるということです。
まとめ
今回のような金利の変動は投資をしていると身を持ってその影響を受けていることが分かります。ただ、通常の生活をしていても、その影響を受けていることが分かります。
金利が下がると債券は買われます。今後発行される債券は、以前発行された債権よりも金利が安いためです。
今の投資に納得感を持っているかどうかは大切なことだと思います。
1000万円を資産運用しているときの変動額リスクについて
コメント