投資をしているなら損失はあまり出したくないものです。資産を増やすために投資をしているのに、資産が減ってしまったら最悪ですからね。その損失のある銘柄が配当金を出しているのであれば、配当金を受け取りながら、いつかはプラ転してくれれば良いと塩漬け決定です。私の場合はそうなることが多いです。
今回は、そんな損失がある場合の方法について記載します。根本的な解決策にはなりませんが、一時期は含み損が解消し、節税にもつながる損出し(損益通算)についての方法と注意点などを紹介します。
今回損出しに使ってみるのは多くの人にとって悩みのタネであろうJTです。
含み益・利益、含み損・損失について
初めに含み損と含み益、損失と利益について説明します。
購入した銘柄の購入価格より、値上がりしていることを含み益。値下がりしていることを含み損といいます。含み益、含み損の段階では、まだ銘柄を保有しています。
そのため、今後の株価の変動で含み益が含み損に、含み損が含み益になることもありえます。
含み益が出ている状況で売却すると、利益が発生します。逆に含み損が出ている状況で売却すると損失が発生することになります。
売却した時点で損益が確定しており、利益には税金20%が課せられます。
損益通算、損出しとは
損出し、とは正確には「損益通算」のことを言います。
損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することです。上場株式等の投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金がかかりますが、一方で損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます。それでもマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越して控除することも可能です。
SMBC日興証券
上記にあるように、損益通算を活用することで利益を損失で相殺させることで税金を減らすことができます。
損出し(損益通算)の方法
例えば、100万円で購入した銘柄A、銘柄Bがあったとします。
その後、銘柄Aは株価上昇で120万円になり20万円の含み益に、銘柄Bは株価下落で80万円となり20万円の含み損になりました。この時、銘柄Aのみを売却すると利益は20万円となり、利益20万円に20%の税金がかかってしまいます。
そこで、税金対策として行うのが損出しです。
損失が出ている銘柄Bを売却することで、利益の20万円と損失の20万円が相殺され、税金が課せられなくなります。
今回の場合は、損出しするのとしないのでは税金に4万円の差があります。
利益になるもの、損失になるもの
損益通算できる利益は株式売却と配当金で得たものになります。
一方で、損失は株式売却と譲渡損失の繰越控除の2つです。
利益、損失ともに国は制限されていないので、国内株と外国株のどちらでも大丈夫です。
その年分の利益より損失が多かった場合、確定申告をすることで最大3年間損失を繰り越すことができます。このことを「譲渡損失の繰越控除」といいます。
実際に損出しを試してみた
実際に株価下落中のJTを使って損出しをしてみたいと思います。
こちらが損出し前のJT株です。売却前のスクショを忘れてしまったのですが、元々1,000株のJT株を保有していました。ですので、含み損は78万円ほどでした。ひどいですね。。。

ちなみに私はSBI証券を使っています。
後ほど、買い戻しは翌日に、と注意点をお伝えしますが、まずは損失を確定させないといけません。翌日以降に証券口座を確認することで損失を確認してください。
SBI証券の場合は、「口座管理 ⇒ 取引履歴 ⇒ 譲渡益税明細」で確認することが出来ます。こちらの画像の損益金額合計で、30万円以上の損失が出ていることが確認できます。また、私の場合の利益は主に配当金です。こちらの配当金額合計で、ある期間の利益を確認することができます。

さて、損失を確定することが出来ましたので、JTを買い戻します。少し調子に乗って100株追加で買い戻してしまいました。すると、80万円以上あった含み損が50万円ほどになっていることが確認できると思います。

加えて、翌年には6万円近くの税金が戻ってくる計算になります。
損出しをする時の注意点
売却した銘柄の買い戻しは翌日以降
売却した銘柄は必ず翌日以降に買い戻しをしてください。
同日に買い戻しを行うときちんと損出しできません。翌日以降ということは、買い戻しをする間に株価が変動するリスクがあることも認識しておく必要があります。
1年間で発生した利益、損失が対象
数年前の利益・損失をさかのぼって、損益通算できません。その年の1月~12月の1年間に発生した、利益と損失が損出しの対象となります。
ただし、損失に関しては、譲渡損失の繰越控除を行うことで、最大3年間まで繰り返すことができます。
NISA口座では損出しできない
NISA口座での利益は非課税となっています。そのため、NISA口座から発生した利益、損失は損益通算として利用できません。
NISA口座を除外して、損益を考えましょう。
売買手数料が必要になる
株式を売買するので売買手数料が発生します。特に外国株式の手数料は高いので注意が必要です。
結局は税金を先送りしているだけ
先述した例に戻りますと、損出しした銘柄Bを売却した後に80万円で買い戻すとします。その後、株価上昇で100万円まで上がったとすると、含み益は20万円です。
この銘柄Bを100万円で売却すると、利益20万円に対して20%の税金がかかってしまいますから、結局は税金の支払いを先送りにしているだけ、と考えることも出来ます。
まとめ
それでも含み損が減った、と感じるだけで気持ち的には楽になりますし、税金を取り戻したという気持ちになります。
私の場合は、配当金という利益が増えてきましたので、今度も損出しは続けてみようと思います。

配当金がもらえるから、、、とついつい塩漬けしてしまいます。
私はNISA口座で見事にこのデメリットを受けました
現在は夫婦別の証券口座で取引していますが、損益通算を考えると一つのほうが運用しやすいですね。
含み損の銘柄を売却する際には、少しでも税金を取り戻したいところです。ただNISA口座ではその損出しを行うことは出来ません。
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